第一歩 Q.こんなRPGゲームは嫌だ。
ZEROはコンクリートの天井を見上げていた。
オーストラリア4日目のことである。
ケアンズ空港から約3キロ先にある
ゲストハウスに宿泊していたゼロは、
未だ宿から一歩も出れずにいた。
つまりこういうことだ。
主人公は宿に引きこもっていたのである。
いわばベッドの上で真剣に、
現代の裏スキル:⌘UTSU を発動させていたのあった。
- Q.こんなRPGゲームの主人公は嫌だ。
- A.主人公がちっとも出発しい=主人公が裏スキルを発動している
オーストラリア初日の出来事
挿入:ケアンズ空港写真
まず初日から危うかった。
ZEROは京都の実家を父に見送られ、
日本の関西国際空港を夜の9時に出発し、
約7時間のフライトを経てケアンズ空港に到着した。
朝5時のことである。
Q.ゲームの基本中の基本スキルとは何か?
そして時間は過ぎ、
ZEROは道具からアイテム「Mac Book Air」を取り出した。
そして「調べ物」という名目のもとに、
Wi-Fiのある安心空間に12時間以上浸っていたのである。
15時を過ぎると、空港(国際便到着ロビー)には
ほぼ人がいなくなっていた。
前日に予約しておいたゲストハウスの
チェックイン時刻はとうに過ぎている。
日も傾きだした16時頃、
ZEROは道具をしまうことに成功した。
調べ物に飽きたのか、
はたまた1かけらの勇気を握りしめたのか、
引きこもっていることに嫌気がさしのか、
ベッドが恋しくなったのか、
おそらく全ての要素が絡み合って、やっと
小さくて大きな第一歩を踏み出したのである。
Q.全ての冒険者に与えられる基本中の基本スキル(コマンド)
といえば?
戦うこと?
仲間を呼ぶこと?
道具を使うこと?
逃げること?
否!
A.歩くことである!
予約していた宿(ゲストハウス)は
徒歩で50分ぽどの距離であったため、
極貧生活を強いられるZEROの移動手段は、徒歩であった。
ゼロは空港の外に出た。
気持ちの良い日差しと心地よい風が、ZEROを迎えた。
単独での初めての海外に心が踊り始めた。
こんなことなら早く外に出ればよかったなあと、現金なことを思う。
すると・・・
5分もしないうちにZEROのもとに、一台の車が止まった。
⌘UTSU発動中の制約ルール
- 基本中の基本スキル「歩く」「外に出る」を使えない